楽曲「LAVENDER SKY」について初めて語られる物語

君が元気だといいな!!!限定&コレクターエディション旋盤カットレコード「Lavender Sky」の最後のコピーを手に入れるチャンスを掴んでくれた人の中から、Facebook生中継でAlexに名前を引かれたラッキーな人たちを発表できて、嬉しく思っているよ。みんな、おめでとう!

みんながクラブ会員特典パッケージの写真をシェアして世界中の人たちと分かち合ってくれたのを見て、すごく嬉しかったよ!君が受け取るのを今か今かと待っていたんだ。このパッケージを制作して命を吹き込むまでに、かなり長い時間がかかって、たくさんの愛が必要だったからね。シルクスクリーン・ポスターを作るための紙を受け取るだけでも、質の良い無地のTシャツや、ちゃんとしたカラーの刺繍が地元のパートナーたちの元に届くまで何ヶ月もかかったんだ。でも、彼らも素晴らしく協力してくれたおかげで、みんなに見事なハンドメイド・グッズを提供することができた…ものすごーく頑張ったものに対して、これほどまでに誇りに思ったことはないよ!

パッケージのデザインや毎年のテーマなどはAlexが考えているから、僕の視点に怒るかもしれないけど、9年前にThe Clubを作ってから、今年のパッケージデザインが僕の一番のお気に入りだよ!断然トップだね!そして、今年のテーマである“As Long as the Heart”という言葉も!この奇妙で混乱に満ちた2020年にふさわしいテーマだ。ユニークなレコード抽選会への参加だけでなく、このクラブ全体を特別な交流にしてくれて、みんな本当にどうもありがとう!僕らにとって大きな意味があるよ。

パッケージは11月12日頃に発送されたから、もしまだでも、きっともうすぐ届くはずさ!HTR Storeからのメールをチェックしてみてね。荷物の追跡番号が送られているはずだから。もしも、メールが見当たらない場合は、僕に言って!

そして、忘れないでね。「Lavender Sky」旋盤カットレコード・エディションを手に入れられた人も、そうでない人も、またすぐに別のチャンスがあるよ。次の旋盤カットレコードは楽曲「Snowflakes in July」で、12月16日24時(17日深夜0時 日本時間)から販売開始されるよ。

楽曲制作の背景
「LAVENDER SKY」

Alexのお父さんが亡くなったとき、僕らみんな打ちひしがれた。バンドメンバーや、僕らのコミュニティで一瞬でも時間を過ごした人たちにとって、あの優しい大柄な男は父親のような存在だったんだ。Alexとお父さんの間に深い溝ができたとき、その思いはより複雑で悩ましかった。理由は色々あっただろうけど、Alexは、ほとんどの時間を僕らのコミュニティや途中で仲間になった人たちに費やしていて、それも二人の関係に大きな緊張を生むこととなったんだ。僕の知る限り、2人は3~4年ほど、全くずっと連絡を取っていなかった。そして、コミュニティにいる人たちへの献身がAlexにとって、大きな負担になってきていると確信し始めていた時の訃報だったから、Alexのお父さんの死が、彼の中に何かのきっかけを生むだろうことは明らかだった。それが何なのかは分からなかったけど、ものすごく心配したのを覚えてる。

それについては、いつかAlex自身が話したら良いと思う。そう望むならね。でも、このきっかけを境に、Alexは全く変わってしまったんだ。彼は距離を置くようになった。僕からも。自分の周りにあるものから、なんとなく離れているように感じた。僕らの有毒なバンド仲が、その距離を近づけさせるはずもなかったけれど、バンドとして活動を続けたんだ。たとえ、Alexの心がゆっくりと死んでいくのが見えたとしても。やがて、彼は深刻なまでに体調を崩し、ほとんどの時間を自室で過ごすようになった。当時、僕らが定期的にYouTubeでやっていた動画配信のイベント以外はね。ツアーは彼にとって全くの苦痛だった。というか、世界に自分の姿を見せる機会全てが…。それでもAlexは役目を果たしたよ。どうやったのか分からないけど、彼のお父さんが亡くなったあとも数年間、こなしていたんだ…遂に自分一人の時間が必要だって、僕に言うまでね。そこまでボロボロになったAlexを見るのは、心が痛かった。でも、行かせた方が良いって思ったんだ。たとえ、何故、彼がタンジェを選んだのか誰にも理解できなかったとしても。それもまた、いつか本人の口から説明してもらえたらいいね…でも、僕は彼がもしかしたら自分の命を断つんじゃないかと不安だったんだ。

そういう時期を経て…数年後…バンド全員がタンジェに来た…Alexの新しい生活に…僕は屋上テラスで、それまで見た中で最も美しい空を眺めていた…この数分後には、バンドとして、または友人としてする最後の会話が待っているかもしれないと恐れながら…この時点では、どんな結果になるか検討がつかなかったんだ。僕が親友として、バンドのリーダーとして知っている人物はもうそこにはいなかった。そして、残りの僕らは壊れたまま。空を眺めながら、あの屋上テラスにずっと留まっていたかったよ…でも、そのあとに何が起ころうとしているのか分かっていたし、Alexが何故僕らみんなをここに招いたのか、その理由を心では理解していた。

僕らが中に戻ったとき、メインフロアにあるリビングルームにみんな座っていた…まるで花のない葬式のように…中に入ってもまだ肌寒かった…たとえ暖炉で火を焚いていたとしても。僕は意図的に、みんなの顔が見える場所に座った。グループとして変わり果てた自分たちを嫌いにならずにはいられなかった…個人的にお互いを嫌うことも避けられなかった…沈黙はとても大きかったよ…Alexがそれを壊すまでは。そして、臆病にも、いわゆるリーダー的ポジションを再びAlexに取らせたのを見て、僕は心からうんざりし、だからこそ、他の奴らに対して怒りが湧いたんだ。

Alexがタンジェまで来てくれて、ありがとうと、みんなにお礼を言い始めた。自分の元へと来るチャンスを掴んでくれて感謝している、とても緊張することだっただろうって。もう壊れていることは知っていたし、だからこそ、お互いの関係に輪をかけて、こういう悪天候の中では、大惨事へのレシピだって…。でも、みんながトライしてくれたことに彼は感謝したんだ。僕はベンチに座りながら、みんなに良く、理解のある言葉をかけているAlexを見て怒りがこみ上げてきた…彼がこういうまでは:”でもさ、もしも終わる運命なら、今まで打ち明ける勇気がなかったことを話そうじゃないか。もう救えないものを守ろうと気を遣う必要はないんだから。それをするだけの愛と感謝の気持ちがまだお互いの間に残ってる?そうすれば後悔もないし、密かな恨みもない”…ここで僕は言葉を発した。準備ができていたんだ。特定のことは、そこまで大事じゃないけど、僕はSefとMooseについて聖書を引用して話した。今ならそんな風に対処しなかっただろうけどね。あの夜ほど、正直になったことはないよ。そうして、みんながお互いに向かって罵倒し始めた。Alexだけが唯一、それを見ていた。僕らが拳をあげるようなことになったり、心の血を流していることについて、特に心配するような様子もなく。小一時間ほど続いたかな…僕らが疲れて続けられなくなるまで…それは、全く乱雑な状態だったよ。

そうしてAlexが尋ねたんだ。なんで、僕らはみんなボロボロなんだろうって…誰も口を開かなかった…Benは泣いていて、Miss Isabelも泣いていた…Sefは残された少しの尊厳を守ろうとしていて、Mooseは普段のようには話していなかった。そして、僕は必要であれば、殴ることも厭わないと考えていた…続けてAlexは、みんなで同じスタートラインに立って始めたのに、今いる位置はそれぞれ違うと話した…ここで、Benが口を開いた…僕らは身勝手さについて…心の虐待…いじめ…自己保存…物事を当たり前のように受け取ることについて…暗闇で帝国を築くことについて話した…僕らはみんなあらゆる場所におけるプロテスタント教会で出会い、お互いに告白していたものは…たとえ、長い間、みんなの間でよく知られていたことだったとしても、これで全て上手くいくさっていうタイプのものじゃなくて、もう解散寸前のバンドの典型だった。僕らはお互いの感情の虐殺を見つめていたんだ。酷かったよ。

Alexは許しの問題について話し続けていた…この時点でも、まだ抵抗があったんだ…みんなが自分を守るためのポジションを握り締めていた。けれど、Alexがタンジェへ発つことにした理由について打ち明けたことで、それが小さな光となり、ゆっくりと部屋の闇を軽くしていったんだ…言葉数は少なかったけど、僕らが理解するために何を言うべきか、彼は分かっていた…そうして本当の会話が始まったんだ。いつもの上辺だけの言葉や、何千回と聞いた自分に都合の良い言い訳ではなく…僕らは話し、泣き、叫び…そして10年間で初めて、みんなで一緒に祈ったんだ…僕らは夜通し、最高の友情だったものを奪って破壊した癌細胞と戦った…みんなで底辺までいく必要があったんだと思う…君は十分に理解できないかもしれないけど…例えば僕ら全員が一つの身体だったとして、壊疽してる部分を全て取り除かなきゃいけなかったんだ…そうして、その腐った部分を全部、燃やさなきゃいけなかった…僕らは疲れ切っていたよ。

自分の悪魔や恐れを、自分勝手という扉の前に置いて、お互いのためにそばにいると決めるとき、団結には美しさと、強さがある。そして、シンプルに明かりをつければ、それがすぐに僕らを照らすんだ…その明かりで周りにいる人たちを見て、自分以外のものを感じることができる。素晴らしいことが起こり始めるのさ。真実は人を自由にする。そして、許しは、自分が他人に与えることのできる、また受け取ることのできる最も素晴らしい贈り物だよ。

そうして僕は…アフリカにいて、自分の目の前で、タンジェという場所がどれだけAlexを変えたかを目撃することができた。全てが理に適った気がしたよ。Alexは抜け出さなきゃいけなかったんだ。逃げなきゃいけなかった。彼が失くしたものを見つけるために、またはこの瞬間からどんな自分になりたいのかを決めるために、そうする必要があったんだ。彼が何で僕らにもタンジェに来て欲しかったのか分かるのと同じくらい、ここ10年ほどの間に、彼をボロボロにしたのと同じ人間に対して、何て意味深い愛と思いやりの贈り物を与えてくれたんだろうか、とも思う。それが魔法みたいにはならないと分かっていた…簡単にはいかないって…でも、本物だ。そして、僕が親友の面影を見つけられなかったということは、自分がどんな風になったかが自分で分かっていなかったからだ、と気付いたんだ。本当に大切なもの、心を育てることなく、がむしゃらに働いてきた中で失ってしまったものを自分で理解できていなかったんだ。

でも、じゃあ、そこからどこへ向かうんだ…

Alexは2階にある自室に戻り…みんなは床を見つめたままだった…完全なる沈黙…。そして、Alexが再び現れ、こう言ったんだ:”みんな、朝だよ…僕らは夜通し、自分たちの本質と戦っていたんだ。あらゆる可能性を秘めた新しい1日の光を見るために。その気があるならね。僕らは今、違う人間なんだって信じようとしなくて良い。だって、そうだから。この夜を、僕らみんなの基盤として覚えておこう。でも、何よりも、この自由を思い切り味わうために…この瞬間を永遠にしよう”。そして、Alexはジョニー・ウォーカー・ダブルブラックのボトルを開けて、この瞬間を覚えておくために、みんなでワンショットの乾杯をした…そのあとにAlexは僕らを屋上テラスへと招き、みんなで日の出を見たんだ。そこでまた別のショット!でも、今回は僕ら自身に乾杯した。この結束に。正直になること、自分のベストを与えることによる達成に…そんなシンプルで、でもパワフルなジェスチャーは今やファミリー恒例となっているよ。意義深い乾杯をして、僕らが感じたこと全てをその瞬間に刻み、永遠にするんだ…それも全て、僕らが最も大事なことを覚えておくため!

そのすぐあとに、お互いをハグし合った。時に、それは、また小一時間くらい続くこともあるプロセスだ。僕らは疲れ切っていたけど、タンジェに到着したときよりも、ずっと心は軽かった。そして、それぞれ自分たちの部屋へと向かおうとしていた時、AlexがBenに、みんなが口論し始める前に弾いていたピアノパートを弾いてくれないかと頼んだ。僕らみんな立ち止まって、”初歩的”なタイプのスタジオの床に座った。太陽が部屋全体を照らし始めたとき…Alexがノートの一冊に手を伸ばして、言葉を書き始めた…そして、歌い始めたんだ:”The Trigger’s Pulled… long distance goodbye… trigger’s pulled… the word’s confessed… trigger’s pulled… one last embrace… trigger’s pulled”…(引き金が引かれる…遠いサヨナラに…引き金が引かれる…打ち明けた言葉…引き金が引かれる…最後の抱擁…引き金が引かれる)この歌詞が生まれた背景を知った君たちはきっと、これから、この歌詞を全く新しい視点で聴くことになるだろうね。

そして、あの朝、ここ以外に良い場所はない、とみんな思ったんだ。この脆い原動力の6分の1になるよりも良いことはないって。愛と思いやりと許しと兄弟の絆が中心であり、全ての音、リズム、言葉の鼓動となる場所。それを君たちと分かち合うずっと前からね…

これが、その後に続く全ての始まりとなったものだよ。音楽とかクリエイティブなプロジェクトについてじゃなくて…僕らの関係のルネッサンス(復興)さ。

LAVENDER SKY LIVE FROM THE
UPPER ROOM STUDIO

このコレクターレコード復活シリーズの最後のエディションがもうすぐだ…!信じられない!これまで素晴らしい旅路だった!!だから、このクレイジーな旅路の最後のチャプターも楽しみにしていて!

「Snowflakes in July」は、アルバム『Windows in the Sky』のために書いた中でもAlexにとって一番、親密な曲なんだ…!この曲の始まりについて、みんなとシェアするのを楽しみにしてるよ…!

君のガイドであり友人
Jeff

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