[The Vancouver Sun]『Windows in the Sky』について知るべき5つのこと

掲載:The Vancouver Sun

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『Windows in the Sky』 | Hopeful Tragedy Records

11月9日の週のカナディアン・ミュージック・チャートを見た人は、ビルボードのカナディアン・アルバム・チャートでアレックス・ヘンリー・フォスターのデビューアルバムが第6位に位置しているのを見て、頭を掻いていただろう。SoundScanの報告ではケベック州だけで、その翌週2週間、このモントリオーラーがチャートトップに君臨し、カナダ全土でもパワフルなMuseとImagine Dragonsに続いてチャート第3位についている。

で、この男は誰なのか?

どうやら、彼のバンドは日本で有名らしい。フォスターは2014年リリースのアルバム『Between Illness and Migration』で、2015年のJuno賞ロックアルバム・オブ・ザ・イヤーにノミネートしたバンドYour Favourite Enemiesのリード・ヴォーカルである。もし覚えていなくても、自分を責めないで欲しい。このカテゴリーは数多にあるカテゴリーのひとつであり、Finger Eleven、Sum 41やToxikなどの思い出に残るアクトを輩出してきた。Your Favourite Enemiesは今も活動中で、現在は新作に取り組んでいるそうだ。

『Windows in the Sky』は、前宣伝やツアー日程などの発表なしに発売されたが、フォスター曰く、マルチメディア・プロジェクトを使用して2019年にツアーをする計画があるとのこと。YFEも新しい年に帰ってくるようだ。しかし、今はソロアルバムの突然の成功にフォーカスを当てよう。

このアルバムについて知るべき5つのこと:

1: ガチなポスト・ロックンロール。大きく広がっていくギターコード、まるで話しかけるかのようなヴォーカルが響き、遠くの方でコーラスが反響し、曲にフィットする限り重ねられたオーケストレーション。「Winter is Coming in」は、U2の「Bullet the Blue Sky」が『Loveless』時代のMy Bloody Valentineと繋がり、Fluttery Records所属のバンドによって演奏されたような曲。壮大なサウンドなのさ。

2: 季節感のあるサウンド。 もしも、カナダが必要としてることを1つ挙げるなら、それは“美しい震えにさよならをする”までの数ヶ月間、暖かい部屋でぬくぬくと気持ち良く過ごす時に聴ける、包容力のあるアトモスフェリックな音楽だ。この国にとって、それは「Snowflakes in July」(7月に降る雪)を意味するかもしれないが、それで良いのさ。

3: クールな始まり/終わり。「The Pain that Bonds (The Beginning is the End)」が、8曲入りアルバムの幕を開ける。「The Love that Moves (The End is Beginning)」がその幕を閉じる。この2曲は、タイトルが絡み合うだけだなく、曲の構成においてもそうだ。スローなメロディーのコードが、オープニングでは切迫した、何もかもを打ち壊すような音になり、エンディングではより遠のき、進化した音となっていく。もしも我々の『Windows in the Sky』に見るべき眺めがあるのなら、それはきっと脳内に走る列車で想像の景観を通り抜けるのに似ているだろう:そうして、音の旅のようになるのだ。

4: The Hunter (By the Seaside Window). おそらく、これは日本のファンへのオマージュだろうーアルバムは2日間に渡って東京で開催したリスニングセッションにてローンチされたーこの15分近くにも及ぶ作品は、フォスターのヴォーカルが激しく混乱していく中で、日本語で何かを囁いてるセカンダリー・ヴォーカルがある。シリアスなギターノイズが好きな人はチェックすべき楽曲だ。

5: そう、嘆きについて。『Windows in the Sky』は、癌との長きに渡る闘病の末に父親が亡くなったことを受けて、フォスターが制作に取り組んだアルバムであり、孤独の中で書かれたものだ。これは愛、死、悲しみ、嘆きの探求であり、そのような経験をしたことのある人たちに響くであろう心の疲労感がある。おそらくだからこそ、このアルバムは多くの人の共感を呼ぶのだろう。人が歳を取るだけ、この物語はより繰り返されていくのだから。

Stuart Derdeyn
2018年11月27日

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