[Journal de Montréal] Alex Henry Foster: プレイリストについて
掲載:Journal de Montréal
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ADISQはこの自宅待機の時期を利用して、20人のケベックアーティストにSpotifyとApple Music上でプレイリストの作成を依頼した。ルールは一つ:フランス語で歌うアーティストを65%、カナダ国内のアーティストを35%という割合で選ぶというものだ。オルタナティブロック・バンドYour Favorite Enemiesのシンガーであり、最近はソロ活動も行うAlex Henry Fosterは、この試みに参加し、そのチョイスについて本紙に語ってくれた。
まず初めに、インタビューにお答えいただき、ありがとうございます。Me Mom and Morgentalerを久しぶりに聴きました。
”(笑い)英語圏のカルチャーで育ってきたから、フランス系の曲を探すのは結構なチャレンジだったよ。このエクササイズによって、色々な再発見ができた。Me Mom and Morgentalerの曲を聴いて、そういえば彼らのライブに行くために学校をサボったことを思い出したよ。”
Ferré, Gainsbourg, Bashung, Fontaineなど、あなたのセレクションにはフランスのアーティストも多く見受けられますね。
”そうだね。子供時代の影響かな。僕は割と荒い地域の貧しい家庭で育ったから、両親が音楽を使って僕に旅をさせ、夢を見ることは可能なんだと教えてくれたんだ。父からはLed Zepを知ったし、母からは多くのフレンチソングを知った。Bashungは良く家の中で流れていたし、母はGainsbourgも大好きだったんだ。”
この危機的状況の中において、他にもあなたのような人がフランス語曲のレパートリーを再発見すると思いますか?
”良い質問だし、それは自分にも問いかけたよ。他の人が僕みたいにフランスの音楽に立ち帰るか分からないな。僕らはなんとなくグローバルな村って感じだし、きっとみんな自分の気分を良くしてくれるサウンドに立ち返るんじゃないかな。”
Iggy PopとPlaceboのフランス語曲を挿入したのは、賢いと思いました。それはフランス語歌詞の割合をリスペクトするためでしたか?
”(笑い)何よりも、自分が好きな曲であり、きっとみんながあまり知らないだろうと思う曲を入れたかったんだ。多分Placeboにフランス語で歌ってる曲があるなんて知らない人も多いんじゃないかなって。”
まさに私です。20年ほど前はPlaceboを良く聴いていたんですが、2016年にリリースされたアルバムのBサイドは全くすり抜けていました…
”Brian Molko(シンガー)はフランスに住んでいて、フランス語も堪能なんだよ。彼はフランス語にとても深い興味がある。Iggy Popについても同じさ。Léo Ferré, Serge Gainsbourg や Brigitte Fontaineみたいなアーティストは僕らが思うよりも、というかケベックで見られるよりも、アメリカやイギリスのオルタナティブやアヴァンギャルドのシーンに深い影響を与えているんだ。”
あなたのリストを見て、Tout le monde est triste(みんな悲しんでいる)、La vie est laide(人生は醜い)がありましたが、今こそ、そんな感じだと思います。けれど、あなたのセレクションには不安も混ざっている気がする。それは意図的に選んだものですか?
”全然意識してなかったよ。そう言われて初めて気づいた。気持ちが落ち着ける状態や自分をケアすることについて話したけど、僕が選んだほとんどの曲があんまりハッピーじゃない。でも、これが僕の好きな曲で、シェアしたいと思ったものなんだ。けど、Les Rita Mitsouko, Amadou & Mariamなんかもあるよ…”
Placeboの曲なんかは始まりが”It’s the unease of the moment, the epidemic that is spreading.”(不安な瞬間だ、エピデミックが広がっている)ですよ。まさに!という感じです。
”今、世界で起きていることが僕に影響を与えているみたいだね。僕らが消費しているものが自覚するきっかけになってるみたいだ。個人的に、ハイスクールの頃からずっとCamusのファンなんだよ。今や、The Plague(疫病)という本で彼はトレンディになってる。まるで、何かポジティブなものを心に抱こうとしても、人間の本質が不安を生み出しているようだ。そして、音楽はきっとそんな自分を映し出した延長なんだろうね”
あなたのプログレッシブ好きな面も出たようですね。始まりからGodspeed You! Black Emperorで16分の曲とSonic Youthのも19分の曲。あなたのリストはこの2曲だけで40分ほど続きますよ。
”(笑い)そうだね。これでも我慢した方なんだよ。だってもっと長くも続けられたから!Godspeedが誰か知らない人たちもいっぱいいるだろうから、それが面白いところさ。ある時、マンチェスターでライブしたんだけど、モントリオールのシーンについて話していたんだ。そうしたら自発的にみんなが有名なカナディアンやケベックのアーティスト名を叫び始めた。その名前は必ずしも僕と同じ音楽シーンの人たちじゃなくてさ。だから、こう言ったんだ:”オーケー、これが僕のジョーカーだ。Godspeed You! Black Emperor。もう他のアーティストは20回ほど聴いているだろうけど、このバンドはきっとないだろう”ってね。”
あともう2曲についても話したいんですが、まずは、KhruangbinとLeon Bridgesからの「Texas Sun」。素晴らしい発見です。最近リリースされたようですが、聴いたことありませんでした。
”それこそ海外ツアーに出て、たくさんのミュージシャンと出会う喜びだよ。彼らはオースティン出身で、そこへは良く行くし、ミュージシャンの友達も多い。あんまりニュースで見たりしない曲を紹介したかったんだ。そうすれば、みんなそこへ戻って、彼らの他のプロジェクトも聴くかもしれないだろう?Tinariwenを知っている人はいる?それでも、彼らはアラビック・ミュージックシーンのほんの一角でしかない。僕らの身近でもそうだよ。Stefie Shockは?彼はアルバムをリリースしたばかりだ。メジャーではないかもしれないけど、もしかしたら、それでもみんな楽しめるかも。もう一つの曲は?”
「Ordinaire」について話して欲しいんです。Charleboisでも、僕の好きな曲なんですよ。
”ほらね、覚えている限り、Charleboisは僕の家でリピート再生されていたよ。なんか気取ってるとか、バカらしいって言われるかもしれないけど、Your Favorite Enemiesで深刻に心身が消耗した時、毎回同じライブに同じ衣装を着続けている感覚になったんだ。まるで結局はドッグショーを見にきている人たちを、楽しませに行くみたいな。タンジェで2年間過ごしている時に、この曲を再発見したんだ。とても正直でシンプルな方法で、自分が感じていたけど認めたくなかったものを明らかにしているって思った。”
*Your Favorite Enemiesは、1月31日にアルバム“The Early Days”をリリース。
*Alexはパンデミック宣言されるほんの少し前にヨーロッパツアーから帰国。
*彼はバンドの初期3年間について綴ったドキュメンタリー本“The Evidence of Things Unseen”について、日曜日にFacebook生中継を開催。
ALEX HENRY FOSTERのプレイリスト
- The Dead Flag Blues, Godspeed You! Black Emperor
- Everybody Knows, Leonard Cohen
- Les feuilles mortes, Iggy Pop
- Nànnuflày, Tinariwen
- Sénégal Fast Food, Amadou & Mariam
- Jésus Christ mon amour, Katerine
- Avec le temps, Léo Ferré
- Tourne encore, Salomé Leclerc
- The Diamond Sea, Sonic Youth
- Texas Sun, Khruangbin et Leon Bridges
- Ordinaire, Robert Charlebois
- La nuit je mens, Alain Bashung
- La vie est laide, Jean Leloup
- Tout le monde est triste, Stefie Shock
- Marcia Baïla, Les Rita Mitsouko
- Heloise, Me Mom and Morgentaler
- Honey Bee (Let’s Fly to Mars), Grinderman
- Viêt-Nam Laos Cambodge, Bérurier Noir
- Le vent nous portera, Noir Désir
- Je suis venu te dire que je m’en vais, Serge Gainsbourg
- Demie clocharde, Brigitte Fontaine
- Tangerine, Christophe & Alan Vega
- 2020, Sunns
- Protège-moi, Placebo
- Vert, Harmonium
CÉDRIC BÉLANGER
2020年4月5日