プロデューサーとの電話という枠を超えて
アルバムのプロデューサーとビデオ電話を予定していたから、レナードとセッティングした室内キャンプを離れた。今後のプロセスに対してまだ実感が湧かないし、とても不安だ…僕は、自分の直感と探究に頼るアーティストであって、自分を疑って完全に心を手放すことを通してしか、目に見えない力は見つけられないと信じているから、それが起こるように心と魂を準備しないといけない。でも、今は全く準備ができていると感じないんだ…体調も万全ではないし、言葉が出てこないこともあるし、何となく遠くから自分を眺めているように感じる。その感覚は酷いものだよ(少なくとも僕にとっては)特にアルバム制作が2週間後に始まるって時にはね。電話では、何を話して良いのか分からなかった。創作時に感じる炎に加えられるものが、あまりなかったんだ…
不安は人を欺くことができ、もし僕は穏やかな人間だと言い聞かせたいのなら、もちろんそうだけど、実際には認めたい以上に心配性だ。いつもこうだったわけじゃない。けど、昨年はあまりにもストレスが多過ぎた。思うようにいかない回復のプロセス。以前のように再び歌えるのかも分からず(そして今でも、実際分からない)、マッカイの突然の癌宣告によって、フルタイムで心配するダディとなり、それによって夜に熟睡することができなくなり…おまけに教会スタジオに戻るなんて、もしかしたらベストなアイディアじゃなかったかもしれないけど、僕は今ここにいて、やっぱりやめたなんて言うには遅すぎる。
電話がポジティブで励みになるものだろうことは分かっていた。アルバムのプロデューサーは、君に紹介するのが待ち遠しいけど、彼の世代の中で最も優れたクリエイターの一人であるだけでなく、人間的にも本当に素晴らしい人なんだ。この時の電話でも、僕がどれだけ良い人と巡り合えたかを示す証拠だった。僕がはまって身動きが取れなくなっているであろうストレスや不安を取り除き、大丈夫だと安心させるためだけに電話をしたようなものだったから。とても美しい人間的なやり取りだったよ。彼はマッカイのことや、僕の肉体的、心理的な状態について話をしてくれて、それだけでも本当に有り難いし、完全に彼に頼って大丈夫だと確信させてくれた。人を信頼するのは僕にとって簡単なことじゃないんだ。創作においては、特にそうだよ。彼との電話のおかげで、重い腰をあげるのに、もう数日かかっていたであろうプロセスをすぐに始めることができた。不安がなくなったわけじゃないけど、この会話によって助けられ、自分がどれだけ感情的に麻痺していようとも、必要なはじめの一歩を踏み出そうという意思を持てたんだ。