更新ではなく"新たに"
マッカイが亡くなったことで、ヴァージニアを去るのがとても難しかったのは別に秘密ではない。けれど、この教会スタジオ/本部で過ごした数年によって受けた心のダメージがその下にあるんだ。それについては、本を書いているところだよ…だから、そんな場所に3ヶ月も滞在しなきゃいけないと考えだけで、窒息しそうだった。事実だけを考えて、壁を作って自分を守ることもできた。これは新しいプロジェクトについてで、僕らのスタジオは北米でも最高の施設だから、きっとあっという間に過ぎて、僕は成長できるだろう、ってね…それは真実だ。でも、癒えない心の傷もあると、ずっと前に受け入れた。それは宿命論ではなく、現実であって、虐待から魂を守るための対処法のメカニズムであり、失敗しないと自分で保証したものだ。ここに足を踏み入れるのは実際、本当に難しかった。到着時にどれだけ素晴らしいパーティーを開いてくれたとしても。ずっと消えない燃えるような感覚は、鮮やか過ぎて、存在しないフリなんてできない。落ち着くまで1日かかった…レナードはこの場所を嫌っていて、そのことも”自分はここで何をしてるんだ?”っていう思いへの答えを見つけにくくしていた。
僕のこの気持ちは、本部にいる人たちのせいではないことは、ちゃんと伝えたよ。それは、今日まで僕が苦しむ原因となった状況に、彼らが関係していようといまいと、僕だけのものなんだ。この痛みは、僕自身が向き合わないといけない。他人を責めるタイプじゃないし、過去を自分の都合の良いように書き換えて苦渋を煽るような人間でもない。たとえその方が自分や周りの人にとって、親切だったとしても。
“Alex、きっとリフレッシュになるよ”と人は言う。けど、リフレッシュが欲しいんじゃなくて、完全に新しいものが必要なんだ。