[BrooklynVegan] The Music That Made Me

掲載:BrooklynVegan

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The Music That Made Me

僕を人として形づけてくれた楽曲、コミュニティ、そして社会に対する姿勢や、アーティストとして、自分の曲作りにも大きな影響を与えてくれた曲について深く掘り下げることにしたんだ。新しいバンド、初めて聴く曲や久しぶりに聴く曲など、みんなに楽しんでもらえたら良いな!

僕はプレイリストを選曲にまつわる短いストーリーや説明と一緒に、できるだけ頻繁に更新していくよ。

THE CURE – A FOREST

昔から、The Cureの音楽性をコンスタントに変え続けるロバート・スミスの才能に魅力を感じてる。そして、アーティストとして恐れを知らなそうな姿にいつもインスパイアされてきたよ。もっとも暗いゴシックロックの傑作と、完璧なハッピー・ポップソングのように聴こえるものを一緒に並べることが”OK”かどうかなんて悩んだりしないんだろうね。選びたい曲はたくさんあったんだけど、今、僕はヴァージニアのハイランドに住んでいるから「A Forest」が完璧なチョイスだと思う。いつまでも変わらない僕の大好きなアルバムは『Standing on a Beach』だけど!

BRUCE PENINSULA – CRABAPPLES

こういうタイプのプロジェクトは、いつだって大好きだよ…エモーショナルで、探究的で、驚きもあるような。ゴスペルっぽい高揚感が、あらゆるノイズやテクスチャーとブレンドする感じ。初めて聴いた時はとても新鮮だった。それからずっとファンだよ。同じカナダ人だからっていう理由じゃなくてね。

SWANS – THE SEER

覚えている限り、独自の動きでSwansを発展させているマイケル・ジラが大好きで、曲の”終わり”を感情的に満足させる旅路のような楽曲が好きなんだ。「The Seer」はスピリチュアルと音楽が融合したユニークな航海をまとめているように思う。

SUICIDE – DREAM BABY DREAM

僕がSuicideを知ったのは、The ClashやThe Clashみたいなバンドばかりを聴いていたとき。The Clashのことが嫌いだった友人がベガとレヴの曲を紹介してくれたんだ。説明がしにくいんだけど、何となく正真正銘の見事さがあって、ミニマリストやプリミティブに聴こえるものの中でも、たくさんの感情が詰まっている。でも、Velvet Undergroundやルー・リードはいつも好んで聴いていたから、Suicideの曲とも繋がりを見つけたのかも…分からないけれども。

CAN – MOTHER SKY

Canの曲はどれも旅なんだ。彼らのクリエイティビティは素晴らしいけれど、それだけでなく聴いている人が望むような体験を曲の流れを通して与えてくれるのは最高だよ。彼らは僕の父が好きだったバンドの一つで、父との意味深い繋がりを作ってくれた。このバンドの影響で、僕ももっと自由に表現したいと思うようになったんだ…

SACHIKO KANENOBU – WATASHINO JEAN TO YOBASETE

2007年に日本を訪れたときに金延幸子さんの美しくも痛々しい作品を紹介してもらったんだ。現地の人から日本のカルチャーを発見することに夢中になっていたときで、友人の一人がこの魅力的な旅を教えてくれたよ。

BAUHAUS – NERVES

自分が何かをしているときに、ランダムに流れてきた曲が、僕の想像力を捉えることがある。そういうアーティストにはいつだって魅力を感じるよ。Bauhausはそういうバンドの一つなんだ。そうなったときには、その後1週間『In the Flat Field』を聴かなきゃいられなくなるんだけどね…不思議だ!

SONIC YOUTH – RADICAL ADULTS LICK GODHEAD STYLE

もしも自由が音色を持っているなら、どこかでSonic Youthにつながるはずだ。初めて彼らを聴いたとき、当時僕が気に入っていた他バンドを以前と同じようには聴けないだろうって分かっていた。彼らの曲には鮮やかな切迫感があって、もうほとんど情熱的に見えるんだけど、一方で、現実にはそれを全て越えた緊急性がある。”今”を映し出す彼らのまとまりによって「ここで何が起きたんだ?」っていう感覚にさせる。今でも聴くたびに新しいサウンドを発見するよ…彼らの創作的自由に、僕は多大なる影響を受けた。

LCD SOUNDSYSTEM – NORTH AMERICAN SCUM

パーティーで曲を聴いてすぐにLCD Soundsystemにハマったんだ。乗りやすいグルーヴ以上に、僕には歌詞が響いた。選びたい曲はいくつもあったんだけど、今回はこれを選ぶよ…きっと、モントリオールの自分が育った場所から2ブロックしか離れていない場所で、「Go back to your f*** country, American f****!!!」って怒鳴りつけられたフレンチ・カナディアンは僕くらいじゃないかな。バンパーにつけてた”Virginia is for Lovers”のステッカーが、このオープンさと寛容の素晴らしい誤解を生んだのかも。全く…カナダ人全員が良い人なわけじゃないのさ。おっと、僕は今、世界共通のカナダ人神話をぶち壊したかもね。痛むな!

THE CRAMPS – GARBAGEMAN

僕の中でいつだって大好きなバンドの一つだ。You ain’t no punk, you punk.(お前なんかパンクじゃねぇよ、ガキが)他に何を言えばいいんだ? The Crampsだけのプレイリストを作っても、心はハッピーなままでベッドに行けただろう。

TALKING HEADS – BORN UNDER PUNCHES (THE HEAT GOES ON)

Talking Headsはパンクやハードコア以外の全ての音楽へと扉を開けてくれたバンドだ。ワールドミュージックから古いゴスペル、アフロビートからジャズ、実験音楽まで。周りの友人たちはみんなTalking Headsが嫌いだった。というか「Talking Headsがお前に与える影響が嫌いだ」って言ってたよ。彼らは特にアルバム『Remain in Light』を嫌っていて、僕は特に大好きでしつこいくらいに聴いていたから、今回はこの曲を彼らに捧げるよ。みんな自分が何者かを知っているんだ…!

BEASTIE BOYS – SURE SHOT

Beastie Boysの曲はずっと好きだったけど、アダム・ヤウクが社会的問題や人権について話すようになってから、より彼らの作品にも注目するようになった。”I want to say a little something that’s long overdue / The disrespect to women has to got to be through / To all the mothers and sisters and the wives and friends / I want to offer my love and respect till the end”(延々と続くあることについて言いたいんだ/女性への軽蔑は終わらなきゃいけない/すべての母親、姉妹、妻、友人たちに/最後まで俺の愛と尊敬を与えたい)1994年…そうだね、延々と終わらないみたいだ、本当に。

PUBLIC ENEMY – DON’T BELIEVE THE HYPE

ジャンルが何であろうと、これまで作られたアルバムの最高傑作の一つは『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』だと思う。生々しい気持ちを伝えながらも、聴けば聴くほど、音のテクスチャーを見つけ、より深いものを見つける。Beastie Boysの「Sure Shot」と同じように、Public Enemyは適切であるだけでなく、必要な存在だと認めることは、驚くべきことであり、恥ずべきことでもある。

ROEDELIUS – IN LIEBE DEIN

Canや実験音楽的のバンドやクラウトロック・アーティストたちのように、ハンス・ヨアヒム・ローデリウスの作品を称賛できるのも、父のレコードコレクションのおかげだ。父は特に、あらゆる秘伝的なムーヴメントに傾倒していた時期があってね。僕は石を擦ることに安らぎを感じたりはしないけど、超自然的なセッションと宇宙的な航海のサウンドトラックには感謝しているよ。

SEX PISTOLS – HOLIDAYS IN THE SUN

このアルバムは僕の人生において、とても意味のあるもので、初めて聴いたときのことを今でも覚えてる。僕と友人は、彼の兄貴の部屋に入る鍵を盗むことに成功した。僕の友人は借りるお金を探していたけれど、僕は彼の兄貴の音楽コレクションを見て、CDを1枚1枚眺め始めたんだ。バンド名だったかアートワークだったか忘れたけど(多分バンド名だろうけど)気になったのがあったから、再生した。そうしたら、最高でさ!僕らはCD全部通しで聴いたよ。友人は兄貴が帰ってきて、これがバレるんじゃないかってビクビクしてたけど、僕らは礼儀正しキッズだったから、部屋を出たんだ。今でもあの時、”借りた”アルバムを持っているけどね。ごめんよ…でも音楽がそうさせたんだ!CDのアナーキーさ!

X-RAY SPEX – OH BONDAGE! UP YOURS!

もしも、認められるべき遺産があるのだとしたら、マリアンヌ・ジョアン・エリオット・サイドが初期のパンクシーンに与えた驚くべき影響だと思う。Bikini Killsが、いつものボーイズクラブに除け者にされていた女性たちの新しい世代の声を届ける存在になったのだとしたら、マリアンヌはパンクシーンや、それを超えたフィールドにおけるフェミニズムの声の元になった人だ。彼女の娘さんセレステが母へのオマージュとして「I Am a Cliché」というタイトルでリリースしたんだ。みんな観るべきだよ。

この素晴らしい人でありアーティストを知るにはHPへ:https://www.polystyrenefilm.net

MINOR THREAT – MINOR THREAT

これは僕がハイスクール時代に組んだバンドで初めて演奏した曲。当時は、チューニングとか、リズムとかトーンとか、あまり良く分かってなかった。ある意味で、これがのちの僕の音楽的アドベンチャーへの道を敷いたんだ。僕のとは違ってMinor Threatの曲は長くても90秒っていう以外はね。当時は、10回くらいこの曲を”演奏”すると、警察が来て、僕らのアヴァンギャルドな才能は止められたよ…全く嫌になったよね!

BAD BRAINS – ATTITUDE

ポジティブ・メンタル・アチチュード…言うべきはそれだけ!

FUGAZI – FULL DISCLOSURE

Fugaziをフィーチャーしないで、Minor Threatは語れないよ。自分が全く気にしないことでも、気にしてるフリをしてクールに見せかけようとするんじゃなく、個人的に大事なことを声に出して伝えるために、自分なりの方法を見つけるよう影響を与えてくれたバンドがいるとしたら、それこそFugaziだ。彼らの足跡を通して、音楽が持つ人を集める精神についてたくさん学んだし、その贈り物に一生感謝する。

DEAD KENNEDYS – THE MAN WITH THE DOGS

僕のお気に入りのバンドの一つ。ここ数年、不思議な習慣が出来上がったんだ。なんとなく憂鬱で気分が沈んでいる時、1日中Dead Kennedysをリピートで聴くっていう習慣。Fall Out Boyみたいなバンドのファンじゃなくて良かったって思う…悪気はないよ!

JOZEF VAN WISSEM – PROPEMPTICON

パンクとハードコアだけが唯一大事なものだった時に、いづれ僕がリュート・ファンになるだろうって誰かが言ったとしたら、その酷い冒涜の前にThe ExploitedのTシャツを破り捨てていただろう。でも、Urban Outfittersで買ったPunk’s Not DeadのTシャツを着て(Minor Threatのと一緒に)歩き回らなくて良いようにしてくれたジョゼフ・ヴァン・ヴィセムに感謝だ。SQURLの音楽へのジョゼフの貢献はかなり現象的だよ。彼は、僕の弦楽器の使い方に大きな影響を与えてくれた。

GLENN BRANCA – THE BLOOD

グレンの一連の作品は、僕にとって音楽史が伝える傑作作品のようなものだ。彼以前の天才たちもそうであるように、悲しいかな、彼もまた生涯を閉じたずっとあとに認知されるんだろうな。けれど、彼の作品が死ぬことはない。最近、僕らが消費しているファストフードのような”音楽”とは違ってね。そして、それは正義ですらなく、恩恵と慈悲なんだ!

IGGY POP – THE PASSENGER

イギーと長い時間、同じ時代を生きれている素晴らしい機会に、いつか僕らが気がつくといいな。だってさ、彼は既にモダンカルチャーを代表する素晴らしい人物だけど、その功績に値する評価や、彼が受け取るべき愛を与えていない気がするんだ。彼はいつまでも、The Stoogesの人っていう風に見られるかもしれないけど、ソロアーティストとしての貢献も、驚くべきものだと思う。

LOU REED – PERFECT DAY

ルー・リードの寒々とした世界観や暗く美しい詩に安らぎを感じるんだ。彼が光の中にもたらしたものに対して、人から感謝されることはないかもしれない。ボウイの存在がルーの特異なアートを影に追いやってしまったように感じる。彼の死から何年も経った今でも、彼の音楽は二極化している。それは、他人がどう思おうと、彼が自分のミューズを迷うことなく追いかけたということなんだ…言葉を変えれば、彼こそ自己統一の例だよ。

GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR – THE DEAD FLAG BLUES

同郷モントリオールの仲間である素晴らしいバンド”Godspeed You! Black Emperor”を語らずにプレイリストを作ることはできないよ!特に彼らが地元で生んだものが、評判やバンドを取り巻くあらゆる物語を超えていることを知っているからね。彼らがいなかったら、彼らの音楽がなかったら、またコミュニティへの深い関わりがなかったら、自由で交流的な”シーン”なんてなかったんじゃないかと思う。彼らの後に出てきたバンドはみんな、何らかの形で彼らのDNAの繊維を持っているはずだ…!

BROOKLYNVEGAN
2021年3月19日

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