君のファンはどうかな…

アルバムを通しで、初めて聴いたあと、Mikkoと興味深い話をした。「君のニューアルバムをファンはどう受け止めると思う?作曲プロセスで君はよくファンのことについて言及しているよね?!」

僕の答えはこんな感じだったと思う:
「僕らの関係は音楽とアートを超えたものだと強く信じてる…”商売”とか”ブランド”との繋がり以上に、個人的で親密なんだ。僕は1人の人間であって、ファンタジーじゃない。だから、クリエーターとして、そのダイナミックさが大きく変わるよ。僕が正直である限り、自分の心と魂にあるものを、それが良いか、悪いか、正しいか、間違っているか、トレンディーかありきたりかなど心配することなく、分かち合える。それは最もプライスレスな贈り物さ。だから、アルバムに対して、彼らがどう反応するかについては、僕がこの曲たちを称賛し続けることなしに、答えることはできないな。というか実際、僕が考えたり、望んだり、ナーバスになることではないと思う」

だからこそ、僕が自分の名前で『Windows in the Sky』をリリースしたとき、Your Favorite Enemiesのコミュニティメンバーたちが、とても困惑したことを知っていたし、理解して、受け入れた。しかも、バンドを無期限活動休止するという決断をそのあとに知って、深くがっかりしたとも思うんだ。僕は、彼らと同じくらい、自分にとって大切だった曲から距離をおかなければいけないことが辛かった…どれだけヒットシングルがあっても、どれだけバンド名がビジネスシーンにおいて国際的に知られていても、それは創造性において、より標準になっていき、結局は惨めな思いをしたまま10年間、棺の中に入っていた最後の釘のようになっていただ。『Windows in the Sky』をリリースしたことで、それまでずっと抑えいてた自由を自分に与えた…当時は知らなかったけれど、自分の存在の解放の音を促進していたんだ。そして、時々、ああいうポストパンク的な曲たちを演奏するのが恋しく思うけれど、僕の今現在の精神と感情の状態は、本物の個人的なハーモニーとして思い描いたものへと近づいている気がする…

だからこそ、僕の人たちもその自由を歓迎できると信じている。それが、どんな風に体現されるかに関わらず」

Mikko:「僕らがやったのは『Windows in the Sky』とは全然違うけどもね」

僕:「それは素晴らしい知らせじゃないかい?!クリエイティブの面で自分をリピートするのは、完全に廃れているし、精神的にも何も生まない。また別の『Windows in the Sky』は必要ないのさ。それが僕の人たちとの関係に戻る。僕らはお互いを知っているから、既にやったことのオルタナティブバージョンをリリースするなんて誰も期待していないと思うな。だからこそ、とてもエキサイティングなんだ。あと2週間したら、全て日本語で歌われてるプロジェクトがプレリリースされて、2024年はその映画と即興レコーディング版で締め括られるんだよ。僕は大量生産の消費とは全く正反対だって言っていいと思うな。僕にとっては、進化するか、萎縮するかだと思うんだ。だからこそ、僕がやっている音楽のタイプに関しての質問の答えはいつも同じなんだ。ニュートロンがどんどん自由になっていく音さ…これぞ人生だ!!!」

Mikko:「その通りだね。ちょっとアイディアが浮かんだよ。他のみんなを呼ぼう。ヴォーカルハーモナイザーのテープループをしよう。Upper Roomの真ん中に集まって…」

僕:「ヴォーカルハーモナイザー・テープループ???」

Mikko(笑顔で):「それが進化するってことじゃないかい、Alex?」

僕:「もちろんだ、もちろんだよ…」(マジか…)

メモ:1人ずつシングルキーをキープして重ねていくタイプのやつをやったんだ。マイクを中心に半径を囲んで、コーラスのループをね…簡単なコンセプトだろう?!しばらくはね…Jeffが「僕は絶対入らない方が良い」って言って、参加を拒んだのは面白かった。そして、Sefはできるって言い張ったくせに、なんでSefのソロプロジェクトはインストゥルメンタルなのか思い出させてくれた。”同じ音を一定の時間続ける”っていう、その音が飛行機の離陸時みたいな音から始まって、オフピッチのカオスへと巻き込まれたあと、空中100フィートまでいき、すぐに離陸した場所から5フィートしか進んでいないところでクラッシュする感じ。Sefの音の大惨事の余韻が消えたあと、マルチレイヤーのループとして作られた音は実際、素晴らしく興味深かったよ…こういう実験的なことは大好きだ!!!