Introducing

ALEX HENRY FOSTER X THE SINGLE CASK

瞬間を特徴付けるドリンクを1つ選ぶのだとしたら、僕からはこのウイスキーだよ

ウイスキーと音楽は、長年、ここThe Single Caskを含め、世界中の人たちから楽しまれてきたので、このコラボレーションはとてもエキサイティングでした。

この年の締めくくりとして、The Single Caskはとても特別なエディションのウイスキーをご提供します。カナディアン・シンガーAlex Henry Fosterがセレクトしたウイスキーです!Alex Henry Foster、彼のバンドメンバーとチームは、皆、アメリカン・ウイスキーとスコッチが大好物なので、この特別エディションの話をいただいた時、そのチャンスを見過ごすことはできませんでした。じっくりと時間をかけて話し合いを重ね、私たちの幅広い樽を成熟度別に味見し、また異なる蒸留所で出来上がったサンプルをテイスティングしたあと、ようやくAlex Henry Fosterの期待と好みに合うだろう樽を見つけることができました。バンドのキャラクター及び、彼らのフレーバーの好みを再現したものだと感じていたので、興奮を覚えながら、サンプル品を送り、フィードバックを待ちました。それが完璧であると連絡を受けたとき、私たちは天にも昇るほど喜びました。この特別エディションのウイスキーを私たちのブランディングを伝えるだけでなく、ハチドリの象徴も伝えることができて誇らしく思っています。

グラスに注がれた音楽と味覚の調和、スポークンワードから滑らかな愛の楽曲まで、これは多くの人たちと誇らしく分かち合いたい情熱に満ちたプロジェクトです。

ウイスキーについて

蒸留所: Dailuaine

地域: スペイサイド、スコットランド

タイプ: シングルモルト・スコッチ

熟成年数: 13年

醸造年: 2008年

度数: 57.1%

キャスク番号: 301698

容量: 700 ml

テイスティングノート

香り:アイシング・シュガー、シナモン、白ワイン入りシリアル

:甘いモルティネス、クリーミー、瑞々しい核果、木の実の風味

フィニッシュ:ミディアムロング、塩漬けのマカダミア

自然が導くままに、 この素晴らしいウイスキーを 純粋でシンプルなままキープしました。 Sláinte!

Alex Henry Foster & The Single Cask インタビュー

The Single Cask (TSC): 初めてのウイスキー体験はどんなものでしたか?

初めてウイスキーを飲んだ経験は、父方の祖父との一番好きな思い出でもあるんだ。子供の頃の思い出で、一番好きな記憶かもしれない。祖父は友人たちからジャック、そして父からはボスと呼ばれ、モントリオールの東側に広いオフィスを構えていた。ジャックはとてもユニークなキャラクターの人で、プロゴルファーだった。今はモントリオールに合併されているけれど、かつては独立していた地域の市長の経験もあり、モントリオールのリサイクル事業のパイオニアであり、フェアトレードのアイディアの提案者として、政治レベルでも独立したあらゆる人たちと関わりがあったんだ。当時、影響力のあったギャングとの交渉に失敗して富を失うけれど、住宅開発に投資したことで取り戻した。祖父は女好きであり、酷い父親で、夫としても最悪な人だった。けれど、何故だか僕のことは好いてくれていたんだ。まぁ、そういう人が他人を好きになれる程度にね。だから、おそらく5、6歳だったかな。僕は祖父の大きな椅子に座って、彼の机で直接、絵を描いていた。そうしてる僕を見るのが好きだったんだ。祖父は、自分の期待通りに育たなかった息子を心底、嫌っていたけれど、それでも2人はいつも、クリスタルのボトルから、僕にとってはカッコいい重いグラスへと注がれる、とても高価そうな飲み物を飲んでいた。ジャックは僕の父に対してボスだった。それは父にしてみれば、恥ずかしいプロセスだったかもしれないけれど、僕にとっては、まるで特別なお祝いを目撃しているようだった。彼らはお互いに大声をあげたりもしたけど、一度、その特別なドリンクを分かち合うと、それを飲んでいる限り、沈黙の協定が結ばれているかのように平和が訪れるんだ。そして、ある日曜日の午後、ジャックは好奇心旺盛な子供に、聞いてはいけない禁断の問いかけをした:「Alex、このグラスをおじいちゃんと一緒に飲んでみたいか?」もちろんだ。飲みたかった。そして、もちろん、飲んだのさ。ほんのひと口だったと思う。というのも、その瞬間その場にいなかった父が急いで戻ってきて、僕にアルコールを飲ませるなんて無責任もいいところだ、とボスに怒鳴ったのを覚えているから。ボスはこう返した:「お前と一緒にいる時間に耐えられないと分かっているのに、毎週日曜、グラスを分かち合うのが好きなのは何でだと思う?お前が子供のころは、いつもそうしていたからだよ」その時、初めて父の泣く姿を見た。その同じ日、僕はJohnnie Walker Blueを知ったんだ。実際に、僕がウイスキー愛好家になるまで、その後、少し時間がかかったけれど、毎回ウイスキーを楽しむたびに、この記憶が蘇る。もしも、ジャックが環境破壊との戦いに参加することが、どれだけ大切なことが僕に教えていたら、手にできるあらゆる楽器で奇妙なノイズなんて出さずに、気候変動への”世界大戦”にもうちょっと関心を示していたかもしれない…まぁ、少なくとも、一口、二口味見するのにJohnnie Walker Blueは悪いものじゃないよ!

TSC: ウイスキーとの繋がりは何ですか?また、あなたにとって音楽とウイスキーには関わりがありますか?

AHF: 僕にとって、ウイスキーはその瞬間について。それが、1人でじっくり考えるような時間でも、みんなで楽しく過ごす時間でも。そこには美しい礼儀作法があるんだ。”時空を超える”ようなエッセンスがね。お祝いの要素も含まれてると思う。というのも、どんなジェスチャーも個人的で意味深いものだから。ブランドや値段、自分のお酒のチョイスだけではない何か、つまり、自分自身を反映してると思うんだ。自分の人となりは、忘れがちな些細なところに滲み出るよね。そのボトルを置く場所から、デカンタのデザインから、グラスの形、注ぎ方から、どれだけグラスに注ぐかまで。どうやって飲むのが好きなのか、ストレートなのかオンザロックなのか、シングルモルトかブレンドか、自分の個人的な好みについてなんだ。その始まり、蒸留期間、調合、その印象であり、その味覚について。人によっては、上機嫌になるためかもしれないし、またはグルグルと回る世界に挑戦するチャンスかもしれない。1人でも、友人たちとでも、それぞれの旅路のステップを形作っていると思うんだ。それがアート-特に音楽-ってものだろう?その時、その時の自分を体現し、僕らが進むままに、形を変えながら発展していく自由な精神。

TSC: ‘良いウイスキー’に何を求めますか?

AHF: “良いウイスキー”は、その瞬間とその本質によって変わってくるだろうけど、いつだって量ではなく質が大事だ。ボトルの値段に関わらずね。ボトル自体にではなくて、その瞬間そのものに、また心や感情の状態についてだよ。僕が1人で飲むことは滅多にないから、そうするときは、ものすごく意味深い時間であり、とてもパーソナルなんだ。亡き父や祖父を想ったり、一時停止して、感謝する時間を取るためだったりする。だから、いつも慰めや安堵感があるんだ。そういう時の、キャラクターは温かみあるもので、個性が強すぎない方がいい。それは、式典のような感じや厳しさを感じることなく、厳粛で洞察に満ちた瞬間。その時間の落ち着いた雰囲気から、飲むウイスキーのタイプを選ぶよ。

その一方で、みんなで集まってお祝いするときは、和気藹々とした、明るい、爽快なタイプの時間になる。色々なプロジェクトをシェアしているから、こういう時間の方をより頻繁に経験するんだけど、そういう時は、もっとはっきりした口当たりで、カラフルなトーンと明るいフレーバーのあるものを探すかな。それは、まだ見ぬ恵みを宣言することであり、様々な気づきに感謝する機会だ。こういう夜の終わりは、自分たちがどれだけ感謝をしているか、またどれだけ未来に期待しているかによっては、ちょっと危険にもなり得るよ…!

TSC: 好きなウイスキーの飲み方は?(ストレート、水割り、オンザロック)

AHF: ウイスキーの質と、どんなタイプの瞬間かによって、変わるかも。でも、たいていはストレートだね。だけど、最近は色んなカテゴリーやタイプのウイスキーを飲むようになって舌も肥えてきたから、水を少し加えるのも好きだな。オンザロックはあまり僕の好みではないかも。ウイスキーをカクテルにするのも、あんまり…かな。

TSC: あなたの‘ウイスキーの時間’をどう描写しますか?

AHF: 僕のウイスキーの時間は、自由を学ぶことかな。普段、コントロールしようとして自分を傷つけているものを穏やかに受け入れること。その瞬間に完全に浸ること。普段、目に見えないものを、目に見えるものとして歓迎すること。瞑想的で、思考的。完全に意識が開いている状態であり、同時にドリーミーな軽い心の状態でもある。祖父の広大なオフィスに戻って、彼の椅子に座ること。一瞬、時間を止める力を持ち、けれど、それを確かに味わうことができるタイプの時間。

TSC: 最近、TSCと組んで限定ボトルを発売しました。あなたにとって、その意味は何ですか?自分のボトルを作るというのは、どういう感じでしたか?

AHF: 自分にとって大きな意味があるものをシェアするだけでなく、他の人たちが彼ら自身の時間を作れるように招待できるという素晴らしい恵みを得たことに特権を感じているよ。そして、今は世界中のみんなが不安と混乱の時期を過ごしているから、この素晴らしいウイスキーのクリエーションの裏にある歓迎的で希望的な意味をThe Single Caskが理解してくれて、とても光栄に感じてる。社会への関わりも深く、人としての価値にも献身している思いやりにあふれた個人の集まりが、このプロジェクトに命を与えようとしてくれたのを見て、すごく慎ましい気持ちだった。自分の名前がついたユニークなボトルが完成した時は、すごく勇気と力を与えてもらったように感じたよ。もう10年以上も、会社やブランドに関わるのを避けてきたけど(僕のパンク精神に感謝)、正しいグループや正しい人を見つけられた時、多くの人たちの人生に違いを生む意義深い方法がある。だって、それでこそ、たくさんの愛を込めてデザインできるし、だからこそ、商品という概念や最近の公共イメージのようなビジネスの枠を超えて、成長することができる。少なくとも、僕はそう考えてるよ。

TSC: ウイスキーラベルのハチドリのデザインが素敵です!この鳥について、少し詳しく教えてくれますか?このロゴの背景にある意味は何ですか?

AHF: この魅力溢れる鳥を初めて見たのは、ヴァージニアに越してきてすぐのことだった。父の死を悼みながら、タンジェの街で長年引きずっていた鬱病を乗り越えようと、辛い2年間を過ごしたあと、ブルーリッジ山脈に築100年の古い家を購入したんだ。

僕の作詞スペースは、一面、窓に囲まれている部屋だから、とてもユニークな場所で、壮大な自然を観察することができる。これまで知らなかったと感じるくらいに素晴らしい自然の光景を目にしながら、初めてその場に立ったとき、小さな鳥が目の前に飛んできたんだ。まるで目が合ったかのような、とても特別な出会いだったよ。その時から、その小さな鳥は、毎日ほぼ同じ時間に現れるようになった。高速で羽を動かしているから、その場に止まっているかのように見えた。そうやって、なんとなく鳥と目を合わせるのが、毎日の儀式のようになっていったのさ。2匹の愛犬すら興味を無くして、反応しなくなるくらいにね。1人で過ごすことの多い僕にとって、その毎日の夢のようなランデヴーは、すごく大切なものになっていった。だから、その鳥について調べて、ハチドリが世界中、様々な文化の中で深い意味を持っていると知ったんだ。その素晴らしい鳥は、僕が必要だった希望と回復の化身となったよ。というのも、ちょうどのちに初のソロアルバム『Windows in the Sky』となるものを書いていた時だったからね。このアルバムは、嘆き悲しむ心と、自分自身の絶望の中であまりにも長い時間を過ごした後に、本来の自分を見つけることについてのアルバムだ。ハチドリは、僕らそれぞれの中に存在する解放的な自由を映し出してる。ハチドリは毎年、渡り鳥のように長距離を移動するんだけど、その旅路は、この先、どれだけの距離があるか心配するのではなく、その過程で多くの人たちと出会う豊かで素晴らしい可能性を味わうべきだと思い出させてくれたよ。

面白いことに、あのハチドリは、もしくはあのハチドリに似た同じ種類の鳥は、回遊の合間、その後、4年連続で毎年夏の時期に、訪れてくれたんだ。ここまで来られたら、もう家賃は払わないでいいかなって思うくらいにね…!

THE SINGLE CASKについて

The Single Caskは、各蒸留所の個性が詰まった蒸留酒を「樽単位」でお届けしています。私たちは、格別なシングルモルト・ウイスキー、アイリッシュ・ウイスキー、アメリカン・バーボンをリサーチし、特定の蒸留所の特徴を代表するもの、または特定の成熟技術を示す優れた例を見つけたいと思っています。しかし、要するに、それが美味しいのなら、あなたに手に入れて欲しいのです。

次に、受賞歴のあるウイスキーを、自然な樽の強さ、冷却濾過なし、着色料なしでボトリングします。これにより、ウイスキーは可能な限り純粋で自然な状態に保たれます。静かで暗い倉庫で樽を見つけたときと同じように。私たちのボトルはデカンターのようなスタイルで、ドラムを一緒に共有することを楽しんでいる友人たちの間でボトルを回し飲みできるようデザインされています。

最高のウイスキーは、棚に置かれたまま埃をかぶるのではなく、蓋を開けられ、楽しまれ、分かちあわれるべきだと信じているので、私たちは活動に情熱を注いでいます。シングルキャスクのリリースをウイスキー愛好家たちの手に渡るように、私たちがお手伝いします。

蒸留所について

Dailuaineは1851年にWilliam Mackenzieによって建てられました。また穀物工場でもあり、南部と中央からの使用済み穀物をDiageoが全て処理している場所です。19世紀の終わりには、最も革新的なデザインの最も大規模な蒸留所であると考えられていました。蒸留酒のキャラクターは、Clynelishの一新により、2015年からより滑らかなスタイルに変更され、以降そのスタイルのままです。Dailuaineには公式の瓶詰めが1つしかなく、生産の大部分はブレンド目的で使用されるか、外部に販売されます。