精神的苦痛と脳微小塞栓症…あぁ!!!

人生の最も素晴らしいことは、他の人と繋がりを持つとき、想像もしていなかった人と友人になること。僕の場合、そのセオリーはあんまり適切じゃないんだ。というのも、もう既に、色々な人たちと友人になる特権を得ているから。でも、まさか自分の心臓外科医と彼の家族とこんなにも近しい関係になるなんて1年前は期待していなかったよ。彼はコロナの間、奥さんや子供たちとバンドを組んだから、その楽曲を僕のスタジオでレコーディングしないかと誘うまでになったんだ。7歳のドラマー、11歳のベーシスト、13歳のピアニスト、20代前半のシンガー、彼の奥さんはアコースティックギターで、彼はエレキギター…すごいだろう?!この話は、ここに書くには長すぎるけど、素晴らしいものなんだ。彼は自分の信仰について話してくれた。彼の人生について、戦争の中、3歳の時にベトナムから両親と共に逃げてきたこと、人権活動もしていることなど。僕らは自然と繋がっていったから、医者と患者というよりも、友人みたいになったんだ。2日目のテストが始まる前、僕らはスターバックスでお茶をした。僕に付いてくるために休暇を取ってくれたんだよ。慈悲深いジェスチャーだよね。より時間が取れたから、僕は手術の心理的な側面について、誰にも話したことなかったことも打ち明けられた。僕の”物忘れ”とか”ディシンクロニゼーション(非同期)”とか。(アサシンクリードのファンなら知ってるかも!)彼はとても慰めてくれて、僕が経験したことを忍耐強く説明してくれた:脳微小塞栓症だ。何だって?待って、精神的なトラウマはまだ分かるけど、今度は脳微小…何て??「塞栓症だよ、Alex」その微小塞栓症ってやつは、命をつなぐために長時間に及んで機械に繋がれていたことや、大量に輸血をしなきゃいけなかったことで(とか、そんな感じ)起きるらしい。僕の場合は、その両方が手術中に起きたから、言葉や名前や出来事を忘れたりするのもそのせいだって。僕の脳は、ただ情報を読み込むことができないんだ。そんな大袈裟じゃないよ…いや、待って、結構大きなことだよね。モントリオール出身の超有名な詩人でありミュージシャンの名前をネットで検索しないといけないこともあったんだ。だって、レナード・コーエンが思い出せなかったから。そう、レナード・コーエンだよ。愛犬に名前をつけるくらい尊敬するアーティストの名前を。怖いよ。でも、良い知らせは、いづれ回復するってこと。ストレスやプレッシャーを感じるシチュエーションを避ければ良いだけ。ということは、1年間の休憩などが必要ってこと。というのも、僕の人生全体がストレスフルな上に常にプレッシャーの中を生きてる。だから、みんな、僕が君の名前を覚えていなくても怒らないで。今でも、椅子とかダイニングルーム、休憩、脳の休暇とか、色々な言葉を忘れるんだ。ハイノートとか、フィードバックとか、もっと大きくとか、そうじゃない、全然ダメだ、もっとレイヤーを加えよう、っていう言葉なんかは忘れてないけどね。だから、アルバム制作中に解放するのは大丈夫そうだよ。ふぅ、良かった。ギターフィードバックや様々な音のレイヤーなしの僕のアルバムなんて考えられないだろう?

残りのテストは、トレッドミルに乗って走ることだった。それも上手くいったよ。心臓と肺のエコグラフィも撮って、それもOKだった。手術が成功したのは奇跡に近いから、回復へのプロセスもモニタリングするのが大事なんだ。ドナーの移植弁の劣化が少し早いみたい。(そのヤワなドナーの名前は何だっけ?)医療の世界では、その結果は少し残念なものだ。それは望んだものでも、期待した結果でもなかった。だから、薬の量をまた調整しないといけない。増やす方でね。イェーイ!めまいと視界のぼやけと、集中力の低下に感謝だ。ありがとう、先生。それと、これから一生、50パウンド(25kg)より重いものは持っちゃいけないらしい。それは、ツアー中に僕が持っていくギアの数を考えたら、良い知らせにも感じる。「ごめんよ、ブラザー。手伝いたいんだけど、できないんだ。心臓のコンディションがさ、分かるでしょ」それは悪くないな。そして、何もしたくないときはシンプルに:「え?本当に僕に頼んだ?あぁ、ごめんよ、ブラザー。忘れちゃったんだ。あれだよ、脳微小塞栓症ってやつ。ストレスとプレッシャー…まだ時間がかかるんだ」とかね。だからそうさ、そんなに悪くないかも!もっと悪い結果になっていたかもしれないんだ…X線のスクリーンを見た瞬間に、専門医の先生の“Oh!!!”っていう声を聞くとかね。だから、そう、全部ひっくるめて今日は良い日だった。僕は心臓外科医であるブラザーと一緒にスターバックスに戻り、また1時間ほど一緒に話したんだ。人生について、信仰について、感情的なストレス、心理的なことに関して。時に脆弱になっても良いんだと、言ってくれた。どんなに頑張っても全てをコントロールすることはできず、誰かに話すことが大事なんだと。それを聞いて、僕は自然とマッカイが亡くなってから、どれだけ心にダメージを受け、孤独を感じているかについて話し始めた。涙が出てきて、頑張って止めては、やっぱり抑えられなかった。「君は疲れているんだよ、Alex。自分に優しくならないと。1日、2日、君がいなくても世界はちゃんと回るから」彼の愛に満ちた思いやりは、とても解放的だった。僕らはお互いに励まし合い、別れのハグをして、その場をあとにした。今年の夏に僕がケルンへ向かう前に、スタジオに来て、家族と一緒にレコーディングをしないとねって伝えたよ。たとえ、数えきれない血液検査など、身体的にも心理的にも疲れ切っていたけれど、ポジティブな感覚を与えてくれた。良い知らせだけでなく、自分の感情的、心理的なコンディションへのより良い理解と共に家へ帰ることができた。それは2日前まで、すごく不安だった部分だ。肉体は精神よりも早く治る…僕らみんな見えない傷を負っているのさ。助けを求めて良いんだ。誰も自分の助けを聞いていないように思えても、叫び続けることが大事だよ。絶対に耳を傾けてくれる人はいるから。

他のメンバーと合流してすぐに今日の話をした。重いものは持っちゃいけないっていう部分を強調してね。何度かリピートして、あと僕の脳微小塞栓症を癒すために、スタジオでの僕のアイディアについて反対してストレスを倍増させないようにってね。あと、その治癒のプロセスは長くかかるってことも。”複数のレコードプロダクション”と専門医は言うかな。もしかしたら、これを読んでるかもしれないし、僕の心臓外科医の友人と、それが良いことか確認するかもしれないけど、どうしろって言うんだ…?「ごめんよ、そんなこと言ったかな、覚えてないや。そんなこと言った?本当に?全く覚えていないんだ。きっと脳微小塞栓症のせいだよ」