Evolving Through the Sounds

僕の人生において、音楽は僕自身の感情と深く繋がっていて、言葉にするよりも前に何かを感じさせてくれるものだ。音楽は僕の喜びやインスピレーションの源であり、悲しい日々や、わびしい瞬間に心を浸すことのできるものでもある。

僕が経験した意味深い出来事と繋がっている曲もあれば、人生において決定的な時期と繋がっている曲もあり、時々、そういう曲たちを聴いては、愛する人を思い出したり、自分にとって思い出深い会話、記憶、感覚、存在や香りを鮮やかに思い起こさせてくれたりもする。

僕が書いて作ったものであろうと、聴くものであろうと関係なく、音楽はいつだって生きていて、それはただの音符、言葉、メロディー以上なんだ。音楽は、夢やヴィジョンによって僕らが変わっていくのと一緒に成長し、進化する。

だからこそ、時々、更新するこのプレイリストによって、僕の個人的な世界へとみんなを招待したい。新旧関係なく、有名かそうでないかは関係なく、その曲が僕にとって深い意味を持つものであるなら、プレイリストに追加して、みんなとシェアするよ。2022年の進み具合とともに変わっていく自由な流れのプレイリストになる。

君のお気に入りの楽曲も遠慮なく勧めてね。このプレイリストは、僕らを形作る振動を通してお互いを知り、人生の道案内となった、または人生で最も大事な時期に支えられたものを知り、交流するための素晴らしいチャンスだよ。

安全にね
愛を込めて,
Alex

2022年2月18日 更新

1. This Will Destroy You – Quiet
2. Tindersticks – We Are Dreamers!
3. Kikagaku Moyo – Dripping Sun
4. The Underground Youth – Veil
5. Siouxsie and the Banshees – Happy House
6. Lou Reed – Satellite of Love (Valérie Dronよりお勧め)
7. Squid – The Dial (Angela Jamesよりお勧め)
8. Cascadeur – Ghost Surfer (Christine Slatteryよりお勧め)

9. Jon English – Six Ribbons (Stefan Sundforsよりお勧め)

2022年3月11日 更新

11年前の今日、2011年3月11日に、日本の東海岸沖で起きた地震によって津波が発生し、たくさんの命を奪った悲しい災害が起きた。日本中に深い傷を残しただけでなく、僕のように、日本の人たちへの敬意と深いつながりを持つ世界中の人たちにも忘れ難い傷を残した。だから、今回は個人的に好きなアーティストから、最近の曲作りに影響を与えている人たちまで、僕のお気に入りの日本人アーティストをプレイリストに追加することにしたよ。

もしも、感情的なダメージがあまりにも酷く、癒しなど来ないように感じるなら、亡くなった人たちの思い出が、光り輝くのに十分な理由になりますように。この先も耐え続けなければいけない痛みがあろうとも進み続けるだけでなく、心の悲しみや信仰の有無を越えて夢を見ることが、人によってどんな意味を持とうとも、妥協することなく生きるという決意が称えられますように。自分の気持ちやどう感じたいかを理解する必要はない。真に”受け入れる”ことは、宿命的な負けを認めることでも、シニカルな傍観者になることでもない。手放すことには力を与える威力があるんだ。小さい暗闇のかけら、一つ一つを。明るい光がやってくるのを思い描けるときまで。だから、輝こう、大切な友人のみんな!

今週の追加楽曲を楽しんでくれるといいな。みんなからのお勧めも2週間後に更新する次のプレイリストに追加するから、君を感動させる音楽をぜひ教えてね。

1. mouse on the keys – Specters De Mouse
2. cetow – S.O.I
3. Eiko Ishibashi – Drive My Car
4. Mono – Heaven in a Wild Flower
5. Yoko Ono / Plastic Ono Band – Why
6. Ovum – Snowflakes Butterfly 
7. Water Fai – To the Green Town
8. Keiji Haino, Kim O’Rourke, Oren Ambarchi – Who is so Cleverly Manipulating the Word “Everything”
9. Yusuke Tsutsumi – Fallow Land
10. Anoice – Ripple
11. Bo Ningen – Slider
12. World’s End Girlfriend – Flowers Of Romance (live)
13. Merzbow – Promotion Man
14. hatis noit – Sacre du Printemps
15. Meitei – Oiran II
16. Merzbow, Keiji Haino, Balázs Pándi – How Differ the Instructions of the Left from the Instructions of the Right, pt. IV

2022年4月1日 更新

プレイリストに追加した曲へのコメントや感想、そして、みんなに知ってもらいたい楽曲を僕に送ってくれて、どうもありがとう。僕のプレイリストには、ジャンルの縛りはないし、クールだとか刺激的な要素がないとダメっていうわけでもないし、プレイリストの選曲に関しても”僕は何が最高か知ってる”みたいな変な思い込みとかはないからね。共通の好みを純粋に分かち合って、次のプレイリストを更新するまでに僕が聴いていた曲のいくつかをシェアする方法だよ…だから、君にとっても、この楽曲たちがインスピレーションになったらいいな。


1. Tindersticks – Ananas et poivre

僕は、Stuart Aが大好きでね。Staplesと彼のバンドTindersticks、それぞれの世界観に魅了されてきたんだ。ユニークで、あらゆるものを超越するような何か、どんどん変化していくような何かが、それぞれの創作の中にあって、それは僕のプロジェクトで感情を解釈し、伝えるために役立っているよ。


2. Alessandro Baris (feat. Lee Ranaldo) – Last Letter to Jayne

数ヶ月前、ニューヨークで僕は今後のプロジェクトのために、リーと一緒に過ごす素晴らしい機会があった。僕は、芸術世界を探り続けたいという彼の熱心さに全く感銘を受けたよ。バズって一気に広がり、そして、一気に消えていくような世界で、リーのプロジェクトにある高揚感にじっくりと浸るのが、とても新鮮なだけでなく、その一つ一つを体験するのは、解放的なインスピレーションだ。また、Alessandro Barisの深く美しい世界観もぜひ色々と聴いてみて欲しいな…


3. Public Image Ltd. – Flowers of Romance

John Lydonは常に自分のクリエイティビティを革新してきた。僕はそれを深く称賛し、尊敬しているんだ。周りにいたほとんどの人がPILを嫌っていたけれど— というかSonic YouthやSwans辺りも全てね — 彼らを好んでいた人たちは、今でも僕の友人であるだけでなく、Lydonの想像力に富んだサイケな精神に忠実であり続け、僕らが妥協のように感じるものについて、はっきりと言うことを恐れるべきではないとチャレンジしてくる人たちだ。僕がYour Favorite Enemiesのフロントマンをしていた時にも、何度かそういう言葉をもらったよ。僕がどんなタイプの素晴らしい友人たちを持っているか、これで全てが分かるよね…!


4. Broadcast – You Can Fall

このバーミンガムのバンドについては、Your Favorite Enemiesの初期に、フランスのグループNouvelle Vagueを聴いたのと同じ頃に知ったんだ。僕は60年代サイケの音やトーンが大好きなんだけど、それはロックンロールへの情熱を教えてくれた母のおかげだね!感謝してるよ!だから、特定のムードに浸りたい時に、いつも聴く音楽がBroadcastになったのも、驚くことではない。それと、Trish Keenanの声もユニークな雰囲気を持っているよね。


5. Circle Jerks – 86’d (Good as Gone) remastered

あぁ、Circle Jerks…!Keith Morrisとその他、当時僕がハマっていたパンクバンドは、十代になる前の生意気なガキとして、キリスト教徒になったばかりの父とたくさんの会話を招くことになった!彼らのアルバム『Group Sex』は、偶然にも僕の最初のLPコレクションの1枚で、聖書を引用しながら交わされた会話のあと、神聖な怒りに満ちた父は、レコードを粉々にしたんだ。


6. Grouper – Holding

2007年に、長年の友人が”あんたの新しいObsession!どういたしまして” という件名でメールを送ってきた。

メッセージは“Grouper: Way Their Crept”だった。

そうやって、Liz Harrisのプロジェクトを知ったんだ。すぐさま、深くて夢心地のようなサウンドスケープに浸ったよ。そこにはスピリチュアル的でありセンシュアルでもある、彼女のクリエイティブな旅路を決定づける感情について、永遠に続くもの、けれど、一時的でもある何かがあった。彼女のアルバム『Ruins』は、大好きな1枚になったよ。いつか、コラボレーションする素晴らしい機会があればいいなってずっと望んでる…


みんなからのオススメ曲 :

7. VAST – Touched (Ludovic Marinよりお勧め)
8. ILL BONE – Numberless Land (Kiyoshi Caveよりお勧め)
9. Nick Cave – Let Love In (Daniel Bossartよりお勧め)

2022年5月14日 更新

1. The Power of the Heart (a Lou Reed Cover)

「The Power of the Heart」のように誠実なモニュメントを自分のものにするために、寒々とした不穏な自分の心の内を航海しようと決意するまで数年かかった。偽りが蔓延る時代において、自己を受け入れることは、本来の自分を見つけることであり、また自己保存的な現実逃避から一度、自由になると、過去の面影の中でも進むことができ、個人として、新たな始まりとして、ありのままでいることへと導く。本当の自分を見られることへの苦痛から解放されたことが、この楽曲をルー・リードの真似をして歌うプレッシャーを感じずに済んだ理由であり、彼の親密な意図を見習う重荷を自らに課したりせずに済んだ理由だ。

 

2. Black Country, New Road – Bread Song

このバンドのファンになってからしばらく経つけれど、Isaac Woodがメンタルヘルスとの葛藤について打ち明けてから、楽曲のエステティックだけでなく、彼の書く歌詞やインタビューにより注目するようになった。そして、どんどん輝き続けるBlack Country, New Roadよりも自分の健康を選んだIsaacだけれど、彼が曲を通して分かち合ったものや作ったものは、永遠に意味深いものとして残ると信じてるよ。

 

3. Alex G – End Song

Alex Gのことは、ファーストアルバム『Race』をリリースした時に知ったんだ。僕は、Elliott Smith、Guided By Voices、Neutral Milk Hotelやローファイ系が好きだから、当時の日本の友人が彼のMySpaceページを教えてくれて、その時から、彼の創作世界の発展や進化を追ってきた。彼が映画『We’re All Going to the World’s Fair』のサウンドトラックを手掛けると聞いた時、すごく興味を持ったんだよね。特に映画のテーマが幻想と現実の間にある細い境界線についてだったから、とても共感したんだ。もう既にアルバムを数えきれないほどリピートして聴いたよ。

 

4. bdrmm – Three

BDRMMを知ったきっかけは、彼らのレコードレーベルSonic Cathedralに注目していたから。最初はそこまで感銘を受けなくて、でも自分の“Maybe Not Today, Probably Tomorrow”(今日じゃなくて多分明日)プレイリストに追加しておいたんだよ。これは僕の個人的なスペースで、興味はあるけど聴いた時はあまり気分が乗らなかったり、しっかりと聴き込む時間がなかったときに、後日戻ってこれるように作ってあるリストなんだ。BDRMMはその中のアーティストの1組だった。曲の雰囲気は好きだったけど、もう少ししっかりと聴き込んで初めて、アルバムを何度もリピートするようになったんだ。最初はただのリスナーとしてね。でも、楽曲「Three」に関する記事を読んで、それがバンドのフロントマンRyan Smithの薬物使用の経験をもとにして書いたものだと知ってから、僕はファンになった。突如として、Smithのインスピレーションに溢れる謙虚さと寛容なオープンさ、そしてバンドの音楽により深い意味を見つけることができたんだ…

 

5. Iceage – All The Junk On The Outskirts

Iceageのことはずっと好きなんだ。若い頃のNick Caveを連想させる面影がサウンドのどこかに残っているからかな。または、創作における自由な姿勢から、かもしれない。分からないけど…ファーストアルバム『New Brigade』を聴いた時から、ずっと活動を追っているんだ。僕の好きな要素がたくさんあってね。確かJehnny BethのポッドキャストStart Making Senseだったかな、そこでElias Bender Rønnenfeltのインタビューを聞くまで、そこまで詳しくは知らなかったけれど、彼はアートとカルチャーについてのヴィジョンとともに文学についても話していたんだ。それで、確信したのさ。僕の好みだってね。

 

6. William Basinski & Janek Schaefer – …on reflection (one)

William Basinskiのことは、ずっと昔に偶然知ったんだ。友人と一緒にドイツのレコードレーベルRaster-Notonのリリースを見ていたときにね。僕が若い時にハマっていたのがノイズやノー・ウェイヴだったから、Basinskiのアートはその創作プロセスの自由さにおいても、すごくインスパイアされるアートだった。彼の作品には、稀に感じるこの世のものとは思えない雰囲気があって、とても瞑想的で熟考的だと思う。

 

7. Lisa Mitchell – Let Me Stay Here

僕は、タレントショーとかについて、皮肉までいかないまでも、かなり疑い深い人間なんだ。スターダムへの近道であるかもしれないけれど、それは次々と入れ替わるエンタメプラットフォームであって、失敗も多い。頭から決めてかかってる感じがあるのは分かってるけど、Lisaのアルバム『A Place To Fall Apart』を聴いたとき、自分自身の傲慢と自己嫌悪の虚勢に騙された気がしたよ…

彼女の深みあるスピリチュアルな声にとらわれただけでなく、とても純粋な感情に深く感動したんだ。昨今の音楽業界に欠けていた全てを持っているとまで思った。そして、彼女のディスコグラフィーを調べてみると、2006年にオーストラリアン・アイドルに出場した1人だったと書いてあるじゃないか。僕は自分が愚かだと思ったよ。特に”本当のアートは心と魂について”って言い続けてきただけにね。そのマントラを残したまま、Lisaの音楽は、自分が選んだ道がどんなものであれ、永遠のものは、始まりとは関係ないんだと思い出させてくれた。僕がYour Favorite Enemiesとして出したファーストEPとかが良い例だよ…!それと同じように、自分が望む終わりも、大事なことではないんだとも信じてる。その間で見つけるものが、僕らを変え、発展させ続けるんだ…

 

8. Gentle Heat – WDYG

最近、Paste Magazineでシカゴ出身のバンドを知って、大好きになったんだ。ちょっとおかしいんだけど、なんとなくMatthew Sweetを思い起こさせる。彼は僕の90年代の後ろめたいけど好きな曲プレイリストに入っている上に、彼の「Sick of Myself」は、自分たちで楽曲を作るずっと前の2005年にSefと僕で演奏したことのある曲なんだ。もう随分とこのことを忘れていたよ…ありがとう、Gentle Heat!新しいアルバムが待ちきれない!

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