"最悪…だろう?!"

僕はアルバムの最初と最後の曲がどれだけ大事かについてMikkoと話した。曲順にこだわるのは失われた芸術であり、シャッフルオプションが音楽プレイヤーに現れて以来、僕は困惑してきた。さらに、音楽を消費する方法を指示するようになったDSPサービスが現れ、曲順なんてほとんど過去の遺物となっている。もう知っていると思うけど、僕は何をどうすべきかってことに対して外部の影響を受けない人間だ。特に、それが僕の創作世界に関することであるときはね。聴いた人がその航海を自分なりに想像することはできるけど、少なくとも、誰かがその作品を全く新しい試みにする前に、僕がどうやって最初の旅の流れを経験したいかを感じてもらえたらと思うんだ。別にコンセプト的なものがあるわけではないけど、レコーディングプロセスを通して、どのように僕の心と魂から命(作品)が飛び立ったか、というのは、僕がその最初の形と交流しているときに、主張すべき大切なことなんだ。

だから、アルバムの最後の曲について、Mikkoにはある特定の曲が頭にあった。それは数ヶ月前に僕らが作曲セッションをしていたときの、全く未完成なパート。僕らの誰にとっても、魅力的なものではなかったけど(特にそのままの状態ではね)それでも僕らは試してみよう、やってみようと思ったんだ。でも、そうする前に、最初のプロダクションのフェーズが終わりに近づいてきているから、僕はバンドメンバーたちにアルバムの意味について今一度リマインドした。それは大事なことだったんだ。Mikkoがここに来たときから、その目的の次元に深く関わっていたから。アルバムが完成したあとに、何が起きようと関係ないなんて言えない。リリースしたあと、みんな楽しんでくれるだろうか?より大きなオーディエンスに魅力的に映るだろうか?僕の視点は正直さと関連性(繋がり)についてであって、自分のキャリアがどんなレベルまで上がるかではない。そんなことは頭にかすりもしないんだ。今でも半分死んでるみたいに感じながら、それでもアルバムに献身しているのは、そんな理由じゃない。勘違いしないでね。僕は自分の音楽ができるだけ遠くまで届いて欲しいと思ってる。できるだけ多くの人たちと交流できるように。でも、それは魂に関わる理由であって、スターダムについてではない。以前にそのポジションのサンプルを味わったよ。僕には全く合わなかった。だから、今では不気味でさえあるし、僕の文章のコンテンツは誰にとってもフレンドリーだとも思わない。この航海の感情を純粋なものにし続けることだけでも、既に激しいモーションだ。その旅のもっと深みへと行きたいというのが僕の望みだけどね。それには自分の全てを捧げる必要がある。

だからこそ、バンドにはアルバムの感情的な核と一致していて欲しかったんだ。そして、その精神的な本質が見えない力となって僕らを導いてくれるようにね。どこへ向かうかは、僕らが決めることではなく、そこにある本質を全て知っているフリをする必要もない。改めて、以前のように進めていた、1曲が次の曲へと続いていくっていう自然な流れのプロダクションではないから、とてもチャレンジだよ。でも、1週間後あたりにアルバムの基礎が固まったら、今のやり方を適応してもいいかなって思う。今の時点では、僕らが”落とされた”場所で、自分たちがどんな風になれるかを心の目で見ることが必要だ。その明らかでない流れの欠片に今はフォーカスしているからね。

僕らは曲を演奏し始めたけど、これだって思うものではなかった。完全に身を捧げるためには、自分のしていることを信じないといけない。僕らは少し変えてみたり、違う風に弾いてみたりした。僕らがするべきだったこととは、全くかけ離れたことだ。
Mikko : 「みんなどこに行っちゃったの?!やろうって決めた曲と全然違う風に聴こえるけど?」

だから僕らは集まって、最初のプランを再び実行することにした。

Jeffが弾くのを止めて、こう言った:
「Alexが話したことからかけ離れてるだけでなく、全くダメに聴こえるって思ってるの僕だけじゃないよね。それを誰もMikkoに言わないなら、僕が言う。これは必要のない曲だ」

スタジオのコントロールルームにいたMikkoにも、この緊迫感が伝わっていた。フランス語を話さなくても、誰かがキレてるのは明らかだ。

Mikko: 「みんな、どうしたんだい?」
Jeff: 「全然良くないよ。この曲は僕らに必要な曲じゃない」

Mikkoの静かなる「なんだそれ」っていう顔を見て、吹き出さずにはいられなかった。僕は曲を始める前に、メンバーに話したことを彼に説明した。

そして彼は:
「オーケー、Ben、Sef、Miss Isabel、2分だけスタジオに来て。正しくて良いものにできるか考えてみよう。もし、そうできないなら、他の曲へ移ろう。今の時点で何ができるか見てみよう…」

こういう時に、みんな同じゴールに向かっていると知れる。そこにエゴも力関係もない…僕らは一緒に、一つになって、アルバムのアイデンティティを映し出すためにやっているんだってね。