エディション19
君の目と視点を通して僕の初めてのコンサートを振り返る

僕の親愛なる友人たちへ

君が元気だと良いな。今も僕らの毎日に影を落とすパンデミックが続いているけれど、君や愛する人たちが、この新しい年を既に歓迎し、またはこれから来たる素晴らしい約束を思い描けていることを願うよ。どんな小さな喜びも、日々を思い切り輝かせて生きる理由になり得る。または少なくとも、今後のより良い日々への希望を育むことができると思うんだ…僕は今そうやって、毎朝の陰りに対処しているよ。そうでないと、憂鬱すぎて自宅を囲む美しい山々からの春の光を見ることすらできない…毎日の恵みを大切にしているんだ。

その恵みの一つが、アルバム『Standing Under Bright Lights』となったコンサートの鑑賞会を君と意味深いディスカッションをしながら観れたこと。このアルバムをリリースすると決めてから、あのパフォーマンスを観るのは初めてだったんだ。君の目と視点を通して、このソウルフルな本質を改めて見つめ直して、僕はとても感動した。自分のパフォーマンスを見返すのは嫌いなんだけど、みんなと一緒に観たことによって、そんな思いは吹き飛んだよ。だって、あの瞬間は僕についてではなく、この曲たちや、そこに込めた感情が、あのとき僕ら全員のために開花していたから。それこそが最も素晴らしい感覚だった。楽曲にある自由で解放的な本質が、僕らみんなをあの場に集めたのだと…

僕らが、お互いを支え合い、歓迎し、尊重し合うコミュニティへと成長したのを見るのは、とても慎ましい気分だよ。フランス、ドイツ、日本、オーストリア、イギリス、イラン、イタリア、アメリカ、カナダ、ベルギー、エジプト、ハンガリー、モロッコ、インド、スイス、タイ、ポーランド、レバノン、ノルウェー、メキシコ、オランダから人々が参加してくれたと聞いたよ…なんて素晴らしい、驚くべき友情だろう!その一部になれるのは、とても心強いよ。だって、今どれだけ世界が分断されていようとも、お互いに繋がりたい、どんなに小さくても、人を批判・判断しない歓迎的な何かの一部になりたいという深い望みを持つ人たちがいるんだ、と改めて実感させてくれたから。

そして、コンサート鑑賞会中に様々な質問を受けたから、鑑賞会を観られなかった人たちや、言語によって僕の答えをはっきりと掴めなかった人たちのためにも、受けた質問と答えの一部を公開することにしたよ。できるだけ多くの質問と答えを集めて、なるべく多くの人たちが理解できるように、全てをフランス語、英語、日本語とドイツ語に訳してもらったんだ。残念ながら、他の言語に訳すことはできない。少なくとも今はね。というのも、ツアー中に出会った新しい友人たちの多くが、次に彼らの地域を訪れた時に通訳になってくれると申し出てくれたから。それはとても良いことだよ。だって、The Pineapple Thiefのサポートとして開催したThe Long Shadowsとのツアーに参加した人たちは、きっと僕がポーランド語やハンガリー語にトライするのをやめたほうがいいって思ってるだろうからね…!もしも翻訳を手伝いたい人がいたら、いつでもメッセージを送って。

楽曲に独特な意味を与えてくれたみんなに感謝するよ。でもそれ以上に、今、最も重要な意味を持つプレゼント、君の親切で忍耐強い友情を、どうもありがとう。

愛を込めて,
君の友人であり兄弟
Alex

PS: YouTubeで開催した『Standing Under Bright Lights』コンサート鑑賞会の動画は、今でも僕のチャンネルに残っているから、いつでも観られるよ。今年の夏にヨーロッパとUKで君に会えるのが待ち遠しいよ。

君の問い、僕の答え

何故このコンサートのために「The Son of Hannah」を書いたんですか? – Cynthia, USA
『Windows in the Sky』の重要な要、つまり僕の父、そして僕の内省を、みんなに紹介する必要があるように感じたんだ。
たくさんの人から、あの夜ステージに何人のミュージシャンがいたのか聞かれたよ。
僕らは最大で11人だった。本当はバイオリン奏者も加わるはずだったんだ…楽曲をできるだけシンプルに保つために…なんてね。「Shadows of Our Evening Tides」では、小さい合唱グループも招きたかったんだけど、そう言ったら細かい技術的な詳細を説明されたよ。
このコンサートに他のミュージシャンを加えようと思ったアイディアはどのように生まれたんですか? – Aurélie, France
自分が持つ恐れや疑いから、自分を自由にする必要があったんだ。直感に従って、自分を信頼するために。ミニオーケストラをセットアップしてみたいなというのは、実はしばらく漠然と思い描いていたことなんだよ。
たくさんのミュージシャンを招いて行うこのようなコンサートを今後も計画していますか? – Emilie, France
The Long Shadowsのコンセプトは、僕のプロジェクトによって、様々に形を変える組織だから、もちろん、彼らとはまた一緒に演奏したいと思っているよ。
「Winter Is Coming In」の前奏で曖昧ですが色んな言語でニュースを読み上げているのがあります。日本語で聞き取った感じでは天気予報でした。ラジオのチューニングを合わせるような音も聞き取れます。何故そのような音を取り入れたのでしょうか? – Tsugumi, Japan
曲の最初に聞こえる音は、僕らが混乱した状態のときに経験する感情的な波なんだ。僕らが話す言語は違うかもしれないけど、その感情や気持ちは誰しもの中に響いている。
「Shadows of Our Evening Tides」で、「The Weight of The World」(世界の重さ)と語る声について、数名から質問を受けた。
これは、アレン・ギンズバーグがニューヨークにあるコロンビア大学で彼の詩『Song』についての講義をした時の声だよ。
このコンサートのために、どれだけのリハーサルを重ねたのか想像することしかできない。たとえ君たちが才能溢れるミュージシャンたちでも。どのくらいのリハーサルが必要だったんだい、Alex? – Justin, UK
リハーサルなんてしてないよ。僕らはそれだけ上手ってこと…!まぁ、”数回”って言っていこうかな。謎を謎のままにしておくためにね。
何故「Snowflakes in July」をライブであまり演奏しないんですか? – Michael, Switzerland
とても個人的な曲なんだ。この曲は絶望について…光へ向かう旅路について…だからこそ、そんな深い感情を解放するのが難しいんだよ。
ラベンダー色の空…この中間的な色は何を象徴しているんだろう? – Yuushi, Japan
モロッコのタンジェにいた時、屋上テラスに立って、毎晩見ていた空の色なんだ。僕の父を悼みながら空を眺めていた。まるで、彼が僕の絶望を慰めてくれているかのように。
「Lavender Sky」をアルバムから外そうと考えていた理由をたくさんの人から聞かれたよ。
この曲が伝える感情と僕自身が和解する必要があったんだ。この曲を他の人たちと分かち合う勇気があるのか、分からなかった。
MOOG使ってるの良いですね。シンセサイザーには拘りがあるのかな? – Anakasi, Japan
拘りというよりも楽曲の感情を伝えるために色々な楽器を試すのが好きなんだ。僕が曲を書くときや、バンドとリハーサルするときには、様々な楽器が周りに置いてあるよ。
Alex、たいていどっちが先に来る?音楽か歌詞か? – Shona, UK
最初はいつだって視覚的イメージだね。
「The Hunter」について。語りで日本語がありますが英語歌詞と日本語の語りの繋がりは何ですか? – Tsugumi, Japan
日本語の語りは、安堵と絶望のあいだにある感情的な波を表現してるんだ。
あなたしか知らない不測の事態とかびっくりした瞬間ってありますか? – Isabelle, Canada
もちろん。コンサート中ずっと他のメンバーたちにサインを送っていたよ。
これだけの音楽をリリースしていながら、どうしてフランスではまだ知られていないの? – Cyrille, France
色々な事実が絡まっていると思うな。その中心にあるのは、Your Favorite Enemies時代、自分自身を曝け出す不安を持ちながら作曲するのが難しかったことにあると思う。
ヘッドライニング・ツアーでYour Favorite Enemiesの曲も演奏しますか? – Duncan, UK
いくつかの曲はとても個人的な曲なので、今、演奏しても違和感のないものはあるよ。でも、今の時点では、なんとなくどちらの世界観もお互いから切り離して自由にしておきたいというのがある。「From the City to the Ocean」は、いつか演奏したい曲の中の一つかな。
次のツアーもThe Pineapple Thiefと一緒にしますか? – Jean-Maurice, Canada
残念ながら、次のThe Pineapple Thiefのツアーに僕らは同行しないんだ。新しいプロジェクトの準備を始めるためにスタジオに戻らないといけないから…おっと、これはまだ秘密だった。
初めてロンドンで聴いたときは夢のような体験だった。Alex Henry Foster、前回The Pineapple Thiefと開催したコンサートでの音源はいつか聴けるようになりますか?- Alim, UK
僕は今まさに、前回のツアーに関連した特別で限定エディションのプロジェクトをしたいなって思っているんだけど、サポートアクトの身だと、いつも少し複雑なんだ。サポートアクトがツアー後にそのツアーについて何かをリリースするというのは、あまり心地良いものではない…音楽シーンによって、誰もが違う視点を持っているとは思うけどね。ツアーを管理している人たちと、どれだけの信頼を培えたか、またはメインアクトとどれだけ近しい関係を築けられたかにもよるだろうね…だから、何かできるか見てみるけど、コロナ中に開催された意味深いツアーとして、それをお祝いするようなプロジェクトができたらいいなとは思っているよ…
短いライブ時間だったのは置いといて、The Pineapple Thiefとのツアーで一番良かったことは何ですか? – genius149
毎晩、素晴らしい人たちと出会えたこと!
The Long Shadowsと僕が、今年ポーランドとハンガリーに戻ってくるか、たくさんの人から質問を受けた。
答えは、イエスさ!僕らはクラクフとブダペストでライブするよ…まだ秘密だけどね。詳しいことをもうすぐ発表するね!

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